離脱症状とその緩和
禁煙を開始すると、ニコチンが体内から抜け出すときに起こる離脱症状(禁断症状)が現れる場合があります。これは必ず現れるものではなく、また個人差もありますが、喫煙年数が長い人、また本数が多い人の場合に比較的強く現れます。
▼よくある症状と緩和方法
とにかく吸いたい → 冷水を飲む・深呼吸する・軽い運動をする
イライラ、落ち着かない → 深呼吸する・音楽を聴くなどリラックスする
倦怠感、眠い → 睡眠を十分に取る
頭痛 → 足を高くしてあおむけに寝る
このような症状は体内からニコチンが完全に抜け切る3日間に一番強く現れ、その後10日くらいで落ち着きます。
この間が一番の正念場です。
2週間ほどすると、それまでのような強い離脱症状はなくなりますが、喫煙の“習慣”があるため「吸いたい」という欲求自体は、かなりの期間続きます。
喫煙と結び付いている行動パターンを変えることも有効です。例えばお酒の席にはしばらく参加しないようにしたり、コーヒーやアルコールを控えるようにします。
肥満に気をつける
禁煙すると太る、と言われますが、これは味覚が正常に戻り体調が良くなることで食欲が増すためです。また、禁煙中の口寂しさから普段よりも余分に間食することも原因となります。
食事は腹八分目を心がけ、軽い運動を行なうなどの工夫が必要です。そうすることで、禁煙だけでなくその他の生活習慣病の予防にもつながり、一石二鳥の結果が得られます。
禁煙補助
最近では、禁煙を手助けする方法や補助グッズがいろいろと考えられています。
禁煙は単に「吸わなければいい」だけですから、何も利用せずにやめられれば、それに越したことはありませんが補助的な意味で以下のような方法があります。
- ニコチンガム
血中のニコチン濃度をある程度保つことで、禁煙中の離脱症状の緩和に役立ちます。薬局、薬店で購入できます。
- ニコチンパッチ
ガムと同じように、離脱症状の緩和のため皮膚から微量のニコチンを摂取させるシールのようなものです。医師の処方が必要です。
- 禁煙外来
医師のカウンセリングにより効果的に禁煙が行なえるプログラムを用いた禁煙クリニック(禁煙外来)です。
定期的に通院し、医師と二人三脚で行ないます。
この他にも民間の禁煙セラピーや禁煙サークルなどに参加する方法もあります。
最終的には意志の力
手足を縛られて監禁されるか、全世界からタバコが無くなれば強制的に禁煙できますが、そんなわけにはいきません。最終的には、やはり自分自身の「意志の力」が重要です。
ニコチンが体から抜け切る3〜4日を過ぎると、体内の中毒症状は治まっています。しかし実際は、1週間経っても1ヶ月経っても「吸いたい」気持ちから離れられないことが多々あります。これは喫煙の「記憶」や「習慣」から起こるものです。本当の禁煙は、この記憶や習慣を断ち切ることから始まります。そのときに重要になってくるのが「意志」なのです。
ニコチンガムをいくつも噛んでも、禁煙パイポをくわえても、とにかくどうにも「吸いたくなる」ことがあることでしょう。道端のタバコ自販機はあいかわらず目に付きますし、周りの喫煙者からの誘惑もあると思います。
「○週間やめたから1本くらいは」「こんなに疲れているのだから」など、タバコを「やめた理由」ではなく「吸う理由」ばかりを考え、イライラすることもあるかもしれません。
そのようなときはゆっくりと深呼吸して、是非とも「初めの決意」を思い出し、意志を強く持って成功への道を切り開いてください。
「タバコは肺ガンの原因」
「家族や非喫煙者のため」
「お金の無駄遣い」と思い出してください。
禁煙中なのに吸ってしまいました
ちょっとしたきっかけでタバコを吸い始めることはよくあることです。 しかし、禁煙に成功した人の多くは、3〜4回の失敗を経験したあと成功にいたるのです。
もしもタバコを吸ってしまったら、その時のきっかけや原因を思い返し、次回のチャレンジのときに活かせば良いのです。
大切なことは、「いずれ必ずタバコと縁を切る」と思い続けることです。 あきらめずに何度か挑戦していくうちに、自分なりの離脱症状の緩和方法やどんなときに誘惑が多いか、などコツが掴めてくると思います。
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